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THE FIRST SLAMDUNK 感想 〜夢女の血には抗えない〜

『THE FIRST SLAMDUNK』を観ました。まぁまぁな年数オタクなわたしは、高校生の頃このジャンルの夢女だったのですが、まさか令和の今新規供給があるとは…。ジャンルにいた頃って神奈川でやってた黒板アート展ももう終わっていて、ほぼなんの新規供給もなかったんですよね。なので満を持してって感じではあるのですが、公開直前まではまぁタイミングが合えば見に行くか〜くらいのノリでした。が、本当に観に行ってよかった……誕生日にフリーデーを貰って観に行ったのですが、まぁまぁ良い歳になった子持ちのくせして、元カレに会いに行くような気持ちでした。

 

以下ネタバレを含む感想です。

 

・全体的な感想

 イノタケ先生このパターンでどんどん作りましょう。SecondもThirdも作ってぇぇ…とのたうち回っちゃった…。このパターンならどの登場人物の何でも掘り下げられるね?!天才のメソッドでは?!と興奮した。

 本作は山王戦を軸にしてりょーちんを主人公にした作品で、過去エピソードとかを織り交ぜながら作られているのですが、主軸となるりょーちんの生い立ちが完全にイノタケ節。イノタケ先生の作家性をガンガンに感じてすごく良かったので、スラムダンクミリしらだけどイノタケ先生好き(そんな人いんのか?)も楽しめると思いました。逆にミリしらの人連れて行って感想を聞きたくなってきたな…。

 スラムダンクは何回読み返したかわからないので山王戦の展開も勿論わかってるんですが、なぜこうも手に汗握る展開なんだろう…。すごくドキドキしたし後半は泣いてました。隣のお姉さんがゴリのフリースローの時祈ってて、ワカルゥ…となりました。なんというか世紀の名試合を映像化してくれてありがとう…ありがとう…という気持ちでいっぱいになっちゃった。

 公開直前、声優交代とかあまりにも情報規制された広報とかで結構批判されてたけど、わたしは基本的に何においても創作主の信者なので、イノタケ先生なんてもう仕事なんかしなくても生活できるのにわざわざこれを心身注いで作ってくださったんよ…本当にありがとう…となってしまいました(怖)

  原作で名シーンと言われるところはテンポの都合上か所々カットされてましたが、わたし的には特に気になりませんでした。声優についても同じで、アニメ版にも(一通り全部見たけど)そこまで思い入れがないからかもしれない…

   なんというか今映画って結構ミドル層をターゲットにしたものがガンガン公開されてて、トップガンはじめ「あの頃はよかったよね〜」ってなる懐古厨的な機能を果たしつつあるのかなとよく思うのですが、本作は懐古しつつ新しさを見せてくれるところがまさにFIRSTでした。主題歌もエンディングも全く知らないアーティストの曲だったけどすごい良かった。なんというか、たぶん昔の主題歌たちを使ったらそれはそれで良かったしやっぱこれよねってなる人がたくさんいたと思うんだけど、新しい風になるような曲を使うことで「彼らはまだ高校生なんだ」って思わせてくれるフレッシュさがありました。劇伴もよかったな〜。バスケットボールがコートで擦れる音とか雨音とかかなりこだわっているのでは。臨場感ありました。

 

・キャラクターについて

 りょーちんの妹という夢女の憧れポジが概念化しちゃった…本当にいた……と震えました。どう考えてもあの妹になりたすぎるでしょ。宮城って名前しかり沖縄にルーツがあるのなんか良いですね。りょーちんが兄と妹がいる真ん中っ子なのすごい納得感がありました。PGって視野が広いバランサーのイメージなんですけど、真ん中っ子って凄いその感じありません…?(偏見of偏見) 原作ではちょっとしたシャワーシーンくらいしかプライベートな描写のなかったりょーちんを知れて嬉しかったです。ちなみにラストシーン(アメリカで沢北と試合するシーン)については、りょーちんの概念?みたいな認識でいるんですけどあれ本当のりょーちんなの??あの記者さんは原作にも出てた人かな…?

 わたしはどうしてもミッチーに対して、ミッチー(笑)ってなってしまうのですが、今作でもミッチー(笑)ってなってしまいました いやミッチーのカッコイイシーンあったんですけど、(中1の宮城とマッチアップしてくれるシーン、めちゃくちゃさわやかイケメンでしたよね。でも中学時代の髪型と違う…?)あとはずっとミッチー(笑)でした。いやほんとにあんたいい奴だよ、あれだけボコられて恥ずかしい思いしてもずっとバスケが好きなんだよな…と思ってしまった。彼の泥臭さがなんかちょっと可愛いなとなってしまいました

 個人的にびっくりした&刺さったのが赤木で、大人になってから見ると赤木ってすごく高校生らしいキャラだったんだなって…優等生でストイックが故の孤独みたいな描写に初めて共感したかも。

 花道、流川に関してはずっと原作でやってたもんね…ってなりつつ、流川がいちいち顔が良くて「顔が良い…」ってなっちゃった あと花道は原作通りの花道なんだけど全体的なトーンから違和感なく(漫画の主人公なんだけど漫画の主人公すぎず)そこもよかったです。

 アヤちゃんが爆イケ美女でびっくりしちゃった あれは全員惚れるでしょ…??晴子さんも可愛かったですがとにかくアヤちゃんの美人度がすさまじかった。そりゃりょーちん惚れるよね

 安西先生、アニメ版より「昔鬼監督だった」感があってすごくよかった ただ温厚なだけじゃなくて一本筋が通っていて厳しかった人なんだなっていう人物造形が伝わる声の芝居だと思ったので、個人的声優MVPは安西先生の声優さんです

 魚住・海南チームなどなどモブっぽく映る面々にいちいちニヤニヤしてたのですが、豊玉の岸本が映ったシーンが一番ニヤニヤしちゃった 岸本…!お前そこにいたのか…!!南は?!?!って画面を凝らしてみたけどカメラが動いてくれませんでした(やべえ女) 南の元夢女として諦められなかった……豊玉勢、アニメでもモブっぽくちょっと出てくるだけだったからな……このFIRSTの手法でTHE FIRST TOYOTAMAやってくれませんか先生……お願いします……

 

・最後に

 冒頭で晴子さんが「ドシロートの桜木」が出場することに対して「親になった気分だわ…」と言う台詞があるのですが、わたしも最初冒頭はその気持ちになるかな?と思ってたんですよ。主軸もりょーちんとお母さんの話だったし。でも全編を通して、どうしても夢女の血には逆らえませんでした。まだ彼らにはお母さん目線じゃなくて彼女目線になってしまいますね…。でもこれが公開されたのがジャンルにいた高校生の頃じゃなくて大人になって自由の効く今でよかったな、としみじみ思います。元彼たちかっこよすぎました。いつも輝いていたね 少年のまま 瞳はマイフレンドでした…(言いたいだけ) とりあえずオタクは原作漫画との整合性を確認したいので暫く読み返したいと思います!