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シン・仮面ライダー感想 〜辛さに足すのは一文字〜

シン・仮面ライダーを観てきました!朝早い時間のが良かったのでいそいそと劇場まで足を運んだらまさかのIMAXで、お、おう……となってしまったんだけど。ミーハー心で見るにはなかなかいいお値段だったな……お客さんは40代以上の男性がほとんどでした。

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↑入場特典でなぜかもらえたショッカー下級構成員のキーホールダー

 

見終わってすぐの感想は「全然知らないジャンルの、本気クオリティの濃度の高い二次創作を読み耽ってきた」感じ……ということで、たいして仮面ライダー詳しくないミーハーオタクが見に行った感想をつらつら書きたいと思います。わたしの中の仮面ライダー、「天の道を往き、総てを司る男」で止まっとる……(カブトの水嶋ヒロくん本当にかっこよかったですよね) そういえばBLACK SUNも一応見てたけどよくわかってなかったんだよな。

 

・冒頭からきちんと血の流れるバトルシーン

なんの説明もなくトラックが大破してからバトルに入るシーンで、かなり派手に血が流れてるのを見て、なるほどこの映画は肉体、というか生身のヒーローを描くのね…?と納得しました。大体のヒーロー、戦隊モノって肉弾戦だけど血は流れないじゃないですか。効果音はあれどそれに伴って生まれる痛みとか、返り血とかって(対象年齢もあるけど) カットされますよね。でも本郷が敵を殴って葬った後の自分の痛みみたいなのに向き合ってるのを見て、これがシン・シリーズでの実写の意味…となりました。ドキュメントの方で池松さんもそんなことをおっしゃってたようなので、そっちも早く見たいなぁ。

 

・ルリ子は最高の女だよ

そもそも浜辺美波ちゃんのビジュアルが圧倒的すぎる。CGか?と見紛うほどにずっと美しかった。所作もそれっぽい。でもちゃんと石ノ森ヒロインの系譜を感じる静かな色気と、庵野ヒロインの持つ気位の高い女感を兼ね備えてて最高だった。途中退場しちゃって悲しかった……ルリ子……(ってなってたら横のおじさんがそのシーンで泣いてて、ワカルッ…わかるよっ……てなりました) 着替えのシーンでグレーのジャージ着て微笑むルリ子が凄まじく可愛くて、本郷との間にあった恋にも満たない信頼と表現された感情が尊かったですね。(もっと尺をくれー!!)

 

・クモオーグ山本耕史かと思った

台詞の端々にメフィラスを感じたんだけど大森南朋さんだったんですね。山本耕史何してんだよってつぶやくとこだったわ。

 

・ハチオーグとサソリオーグのニチアサ感

西野七瀬ちゃんと長澤まさみちゃんを使ってあそこまでのニチアサ感を出せるのすごい。サソリオーグなんやったん?ギャグシーンなんか?ってなったんだけど俺たちのまさみが楽しそうで良かった。無慈悲に処分していく政府筋の男と公安(ですよね?)の男ね……赤坂先生の夢女なので、先生忙しすぎ…と頭抱えました

 

森山未來くんのバトルシーンほとんど舞踊だった

もはやあのセットすらそういう舞台装置?!ってなりました 現代アート的な何かを感じたな……美しかったですね。そしてお母さんが市川実日子さんでにっこりしちゃった。お父さんは塚本さんだからシンゴジチームですね。庵野監督はこういうカメオ出演よく使ってるイメージなんだけど、今作を見て思ったのは庵野監督の骨肉を削る感じの作品作りについていける人間ってかなり希少で、それは俳優部にも言えることなのかもしれない……と思ってしまいました。

 

・みんな大好き一文字くん

一文字隼人、あんなのオタク全員が好きになるキャラだろ〜ってなったんですけど、ライダースーツになると柄本さんのスタイルの良さが醸し出されててそれも加点って感じでした 腰の位置めちゃくちゃ高いですね…?

物語の冒頭でルリ子と本郷が「辛さに一文字足したら幸せ」という話をしていたのですが、まさにそれをきっちり体現してくれるキャラだったなと。後半戦で彼がいることで抜け感が出て良かった。でももっとルリ子と本郷の3人でいてほしかったなぁ…!最後はルリ子と本郷が抜けて一人になって一画余るんですよね。切ない。本職がジャーナリストということで、ペンで戦うのさ、みたいな台詞も彼を表してて良かったな。

 

つらつらと感想を書いたんですけど、わたしはなんだかんだ庵野監督の骨身を削って何かを生み出すクリエイターの部分が好きなんだな、と思いました。そしてシン・ゴジラから三作見て気づいたんですけど、庵野実写作品の女の子たちが本当に好きなんだよな。いつも最高の女がいる。庵野監督、次は女の子ばっかり出るフェミ・エンパワメントの映画撮りませんか?あ、撮らない…?そうだよね……