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映画ゴールデンカムイ感想 〜二時間で金塊は見つからない〜

ゴールデンカムイの実写映画を観てきました!

基本的に漫画の実写映画に明るくなくて、これもまあ配信が来たら見よっかな〜くらいだったんですけど、安心と信頼のTL評価が高くて気になっていたのです。

 

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以下ネタバレ有りの感想です

・金塊……見つからないんだ?って観終わった後横に座っていたカップルの女の子が言っていて、ちょっとウケてしまったのですが、この映画はやっぱりある程度の原作履修を想定して作られている気がした。完結までもそうだし今もかな?よく無料公開されてるし、ファンも多い作品だから、そういう「読んでいること」を前提の実写だったなと思います。(るろ剣とかもそうだよね) なのである程度どこまで書くかは履修済みの観客なら察するんだけど、ミリしら組はどう判断していいかわからない映画なのかもなぁ。

・ものの手触りがわかる実写化でよかったな、と思う。例えば冬の北海道の厳しい寒さや(キャストの皆さんが耳を赤くしていたのが印象的)、バトルシーンの痛みの描写が絶妙な塩梅だったな〜と。私が1番「くるぞ……くるぞ……」ってなったのはお団子のシーンだったんですけど(だって痛そうじゃん!!!!でも上官の指齧りとるシーンはそんなに痛みを感じないんだよね。なんでだろ) あそこもジワジワとじゃなくてサクッと刺しててちょっとホッとした。グロ寄りの演出にしようと思えばいくらでもできる要素がありながらそれをフックにしなかったのが、いろんなことに配慮しながら作ってるんだろうなと感じました。それは俳優さんたちも同様で、あの壮大な物語の中での序盤としてのやり過ぎないラインでお芝居しているんだろうなぁとひしひしと感じた。愛されているキャラたちを守ろうとする芝居に敬礼しました。

山崎賢人くんは最早安定感と安心感がある。実写化=山崎賢人=また?!みたいなバッシング時期を乗り越えて、山崎賢人というアイコンになっているんだな…(そしてずっと鼻が高くてスタイルがいいな…とアホみたいな感想が頭によぎっていました)

・個人的に1番良かったのは工藤阿須加くんの月島。工藤阿須加くんといえば爽やかの代名詞ってイメージで(家売るオンナの印象が強い)、背も高くてキャスティングされた時に月島っぽくないな〜と思ってたんですけど、なんというかマジで月島だった。最後の馬車でのバトルシーン、月島ってああいう顔して人殴りそうだよなみたいなのがすごかった。次回以降も楽しみです。

・大谷さんの谷垣も納得感がすごくて、なんかいい人そう(ちょっと抜けてそう)みたいなのがすごいわかった。そりゃ第七師団抜けるよなって…😂あと郷敦くんの尾形も目の感じがそのまんまで、みんな気合い入ってる〜!って喜んだ。もちろん山田杏奈ちゃんも良かった。山崎賢人氏の杉元と並んだ時にすごいバランスがいいんですよね。個人的に気になったのはアイヌの民族衣装が重そうだから動きづらそう…と思ったんですけど体幹強いのかな、それを全く感じさせないのすごい。

・ちゃんとヒグマが怖そうで良かった。ゴールデンカムイの序盤の一番の脅威ってやっぱりクマだからさ…!

・きちんと「食」のシーンも入れ込んでてよかったな〜。あれだけの尺になるとどうしても話を進めるためにあっさりめにするかまるっとカットだと思うんですけど、原作漫画でも「食」ってすごく大事なパートを請け負ってたからそこを大事にしているの、良い。

ゴールデンカムイっていう作品、人間ドラマでも戦争ドラマでもバトルでも異文化交流でもあり、ギャグ・グロ・パニック・ホラーのどれにでも寄せられる要素があるなと思ったんですけど、本当に良いバランスで出来ていた作品でした。改めてあれを0から生み出した野田先生って凄まじいな…!!!