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岸辺露伴ルーヴルへ行く 感想 ~泉京香は光であれ~

岸辺露伴ルーヴルへ行くを見てきました!ドラマ版は全部見ていて、漫画版はこの作品以外はほぼ読んだかな~くらいの知識の中途半端な人間なのですが、露伴先生と泉くんのバディ感がとても好きなので見に行きたいな~と思っていたのです。以下、ネタバレありの偏った感想です。

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特典第四弾を頂きました!もう四弾も出てるんですね。内容は伏せますがとてもオシャレでした。

 

岸辺露伴、だいたいメンヘラの陰気な女に付きまとわれがち

全部見終わった直後の感想はこれ……昨年度のドラマ版「ホットサマー・マーサ」に出てきたイブもそうなんですが、岸辺露伴の持つ色気と湿度のせいなのか、だいたい陰の気を持つメンヘラ女と性愛の文脈にいる気がする……。

奈々瀬とのシーンは青年期の露伴先生の心理描写が細かく描かれていて良かったんですけど、一方で直接的な描写を削ってるのが上手いな~と思いました。あのシーンって絶対強烈な初めての性体験だったよね!?(?)

 

・泉くんは圧倒的な光

ルーヴルで「最も黒い絵」による幻覚にみんなが襲われているシーンで、「えっ泉ちゃんも見てるじゃん……後からなんかあるのかな?」と思っていたらきちんと伏線回収してきて良かった。私は泉京香という人物がとても好きで、彼女がいるからシリーズをずっと見続けることができていると思う。原作ではちょっと自立できていない感のある(腰掛け感とでもいうのかしら、なんか適当な単語がある気がするのだけれど出てこない…)彼女ですが、ドラマ版ではどちらかというと「普通」というか、二次元の世界を立体化させる上での説得感を与える普通さを持って描かれているところが好きなんですよね……。余談ですが、これって飯豊まりえさんご本人の性質にも近しいものを感じていて、全体的な雰囲気に親しみやすさを感じるのに抜群にスタイル良いモデルさんじゃないですか。泉ちゃんもそういうところがあると思う。

露伴先生が「君、(あの絵を見たのに)何の影響もなかったのか?」「尊敬するよ」みたいなことを言っていたと思うんですけど、それって彼女自身の性質の問題もそうなんですけど、乗り越える力…光属性みたいな部分が圧倒的に強かったのかな、って思いました。彼女には亡くなったお父さんがいて、ルーヴルに来て写真を撮っていたからそれと同じ構図で写真を撮りたかった。冒頭では「パリ、おしゃれですよね~子供までおしゃれ~」みたいなミーハー丸出しな感じで話していたのに、実はそういうエピソードがあって、それが「悲しみや後悔を自身で乗り越える」彼女の力であり、すごーいちゃんと伏線回収されてる…としみじみしました。露伴先生がああいう能力を持ちながらダークサイドに陥ってないのってやっぱ泉ちゃんが照らしている部分も大きいんじゃないかな(CP厨脳)

 

ルーヴル美術館・美術品たちへの圧倒的な配慮

作中で美術品を水の滴る感じの倉庫で保管していたり火事が起きたりよくNG出なかったな……てところがちょこちょこあったんですけど、ちゃんとルーヴルでの作品の保管方法や模写を許可する際のガイドライン等を説明していたのがちょっと面白かったです。N〇Kを感じた。(感じるな)美術作品に疎い私でもフェルメールは光の画家ってことを知っていたのでそことの対比だな~と思ったし、奈々瀬の最後の登場シーンは完全にモナリザを意識していて、(ちなみに冒頭で露伴先生ってモナリザっぽいですよね、って泉ちゃんが言っていたのはここが伏線だったのねって思った)わかりやすいモチーフがちりばめられていたのでエンタメとして楽しめました。

 

映画全体の感想というより、泉ちゃんのことがスキスキ感想になっちゃったな……。ストレスなくちょうど良い尺で見れて良い映画体験でした!